2012年3月30日金曜日

排ガス規制について


よく聞く言葉ですが、中古トラックを購入するときには気をつける必要があります。
古い車種で現在の基準に合わないなんてことも・・・。

排ガス規制の概要

マスキー法を生んだ
エドマンド・マスキー
排ガス規制の正式名称は「自動車排出ガス規制」とよばれ、大気汚染防止法や自動車NOx・PM法や都道府県の条例等を含めた総称となります。
特定の法律というわけではなく、 法律や条例などを含めた規制全般をひっくるめたもので、年々規制が厳しくなっている傾向があります。

この規制は自動車の排気ガスが環境に及ぼす影響を考慮して施行されています。


世界で初めて排ガス規制を導入したのはアメリカのカリフォルニア州で、 光化学スモッグの対策として導入されたブローバイ規制です。
後に1970年にアメリカでマスキー法が施行され、それに倣う形で日本をはじめ、世界各国で同じような規制法が導入されて行きました。

ちなみにこのマスキー法はあまりにも厳しい基準値を課しておりましたが、初めてマスキー法の基準値をクリアする低公害エンジンを開発したのはHONDAです。
自動車業界の反発も大きく、修正が続きましたが、1995年にようやくマスキー法の基準は達成されたそうです。


HONDA CVCCエンジン
それでは、現在日本で施行されている排ガス規制にはどういうものがあるかというと、
  • 自動車NOx・PM法
  • 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(東京都)
  • 埼玉県生活環境保全条例(埼玉県)
  • 千葉県ディーゼル自動車から排出される粒子状物質の排出の抑制に関する条例(千葉県)
  • 神奈川県生活環境の保全等に関する条例(神奈川県)
  • 環境の保全と創造に関する条例(兵庫県)
上記の5つの法律と条例です。
首都圏の条例はほぼ同じ内容なので、ひっくるめて首都圏の条例と呼びます。

自動車NOx・PM法

粒子状物質の顕微鏡写真
正式な名称はとても長くなるのですが、「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」といいます。

自動車から排出される窒素酸化物(NOx)と粒子状物質(PM)の抑制のための大気汚染防止法の特別措置法です。

大気汚染を緩和して、国民の健康を守ろうというのが制定された目的です。

対象になる車両は、
  • トラック
  • バス
  • ディーゼル乗用車
  • 特種用途自動車
上記の車輌で、NOx・PMそれぞれに排ガスの基準値が定められており、適合しない車は対象地域内での車検ができなくなるというものです。

後述する各府県都の条例で定められているディーゼル車規制条例に適合できない車に関しては、首都圏および大阪府、兵庫県の一部地域は走行が禁止されています。
 これはNOx・PM法に基づく車種規制では対象地域外に使用の本拠地がある車が、対象地域内に流入するのを防ぐことができないためです。

この自動車NOx・PM法に含まれているのは、
  • 自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質に関する総量削減基本方針・総量削減計画
  • 車種規制
  • 事業者排出抑制対策
これらの内容で、 ひとまとめにして言ってしまうと、平成22年までにNOxとPMを目標数値まで計画的に削減し、この計画の基準に合わない自動車は対策地域内での車検ができなくなるので、基準に適合する車に買い替えをしなさいよということです。

現状での計画の達成状況としては、着実に大気汚染は改善しているものの、特に二酸化炭素においては達成できていない局所が残されているとのこと。

トラックにかかわる人にとっては厳しい法律ですが、この法律のお陰でディーゼル車の排気ガスが大幅に改善されたのも事実です。
→参考:ディーゼル車の買取

基準に合わなくなったトラックは流通向きではなくなるので、海外へ売りに出されることが多いようです。

首都圏の条例

 首都圏の条例で規制されるのは粒子状物質(PM)のみで、窒素酸化物(NOx)は規制しません。
規制の対象となるのは、トラック、バス、特殊自動車(乗用車ベースのものを除く)です。

規制されるPMの規制値は、新長期規制(平成22年排出ガス規制)と同等の基準値となります。
→参考: 環境省 ディーゼル自動車・ガソリン自動車の09年規制値

規制に適合しない自動車は、都県内を運行することは出来ません。

規制の手段としては、都県職員による立入検査や路上検査が行われます。

違反した場合の罰則は「運行責任者に対して運行禁止命令命令違反について氏名公表、50万円以下の罰金」となっています。

対象となる地域は「東京都」「埼玉県」「千葉県」「神奈川県」となります。

兵庫県の条例

兵庫県の条例ではNOxもPMも規制の対象となります。
対象となるのはトラック(総重量8t以上)とバス(定員30人以上)です。特殊自動車は含みません。

規制に適合しない自動車は、特別対策地域を運行することが出来ません。

規制の担保手段は県職員による立入検査や路上検査、荷主等への指導となります。

違反した場合の罰則は「使用者への措置命令、荷主などへの韓国措置命令違反、違反自動車の運行について20万円以下の罰金、違反荷主等の公表」となっています。


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